読書好きなら、この本を読んでおかなければならない。

[新訳]読書について 知力と精神力を高める読み方 ショウペンハウエル (著),‎ 渡部 昇一 (翻訳)

これから何冊、何百冊と読書をしていく人にとって、

読書の方法を知っているかどうかは、とても重要なスキルになりますので、

読書好きの方には、なるべく読んでもらいたい一冊だと感じています。

この本は、ショウペンハウエルというドイツの哲学者の「読書について」を、

平成29年にお亡くなりになられた、渡部昇一上智大学名誉教授が翻訳し、

自身の読書体験から、わかりやすく分析、解説をしてくれている本です。

ちなみにこのお方が、ショウペンハウエルです。

ちょっと話しかけづらそうな人ですね。。。

ショウペンハウエルは、戦前、日本の哲学成年たちに、

デカルトやカントといった大物の哲学者と並ぶ人気があったようです。

ショウペンハウエルは、悲観の哲学をもっていたようです。

それは、彼の生い立ちや生前の自身の評価、

仏教的考え方など複合的な原因があったと考えられるようです。

本書では、ショウペンハウエルの哲学の概略も解説されています。

ショウペンハウエルは、「生に対する盲目的意思」を提示しています。

「生に対する盲目的意思」とは、人間の一番根底にあるものであり、

それによって動かされているとしました。

また、「生に対する盲目的意思」は、満足することなき意思であり、

終わることなき苦悩につながっていると考えています

ショウペンハウエルは、多くの人に影響を与えており、

ニーチェが哲学に目覚めたのも、彼によってだとされていますし、

フロイトの潜在意識への注目や、マーフィーなどの考え方にも、

ショウペンハウエルの「生に対する盲目的意思」との関係があるようです。

この本の前半では、前記したようなショウペンハウエルの人生、

そして哲学についてのあらましを紹介しており、

その後に、「読書について」の本題に入っていきます。

ショウペンハウエルは、

読書とは、自分で考える代わりに他のだれかにものを考えてもらうこと

としており、

読書は、著者の心の動きを反復しているだけという指摘を、

渡部昇一先生も肯定しておられます。

読むことによって、考えることをしなくなる危険性を注意しています。

本を読んでいるときは、考えるという作業をしなくなってしまいがちなので、

自分で考える力が失われていくという指摘です。

読書をし過ぎて、馬鹿になるというものです。

本をたくさん読めば、賢くなるという現代の常識を覆すようなことを、

何百年も昔の哲学者に指摘されているのです。

「読書をしたら、自分で考える」 この姿勢が非常に重要なのです。

自分の読んだものが、身に着いたかどうかは、書いてみることで判断ができるとのことです。

また、渡部昇一先生がおもしろいことを書かれています。

食べ物を食べると、体の消化器ができ、胃腸が動きます。

そして、吸収された後のカスが、大便として体外にでます。

そうすることによって、消化器が発達して、身体ができあがります。

読書も同じく、吸収されるものもあれば、

排泄されてしまう部分も多い。

つまり、無駄と思われるものでも、

いろいろな本を読んで、吸収して、排泄するという一連の流れが重要で、

そうすることで、人が成長することができるのでは、ということです。

90%大便になっても構わないと書かれていました。

いいものを食べても全て吸収されるわけではないし、

くだらないものでも、少しは栄養になるという考え方。

なるほど! と思ってしまいます。

「読んだ本のなかで覚えているものだけが栄養になり、

排泄されたものは、腸を作ったりして、それなりに役に立っている。

そう思えばよい。

この言葉には、とても感銘をうけました。

また、「読まない技術」の重要性も説いています。

芸能のスキャンダルなど、すぐにすたれてなくなってしまう情報を

読む必要はないということです。

確かに、これだけたくさんの本や情報があふれている時代に、

わざわざ不要な情報をえるために限りある時間を費やすのは、

私も、もったいないと思います。

また、「良書を読むためには、悪書を読まないこと」を説いています。

当たり前のことですが、それは無理な注文であると渡部昇一先生もおっしゃっています。

そのなかで、渡部昇一先生がおすすめしておられるのは、

古典です。さらに、原書を読むことをおすすめされています。

先生は最後に、自分にとっての古典とは、自分が繰り返し読む本

ともいわれています。深いですね。

読書をする姿勢について、

とても重要なエッセンスがちりばめられていました。

必読の一冊です。

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