罪と罰 (マンガで読む名作) フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー (著)
大学時代に読んだドストエフスキーの名作「罪と罰」が、
マンガで読めるとあって、さっそく読んでみました。
本の場合、原作を知っていると、同じタイトルの映画をみてみると、
どうしても物足りなく感じてしまうことはありませんか?
私も落胆しないように、そういった心構えで、読んでみました。
しかし、良い意味で裏切られましたね。
とても良い。
原作を忠実に再現されており、なんといっても、分かりやすい。
ロシア文学で困難なことは、登場人物の名前が長くて覚えにくいことがあります。
そのため、文章を読んでいて、「この人誰だったかなあ。」
という「つまづき」がつきものなのですが、
漫画であれば、長い難解な名前をわざわざ覚えておく必要もなく、
とても読みやすかったです。
本を読んで感じた臨場感を、
肩ひじを張らず、とても気楽に、漫画で楽しむことができました。
あらすじとしては、ラスコーリニコフという青年が、
自分の思想に突き動かされ、金貸しの老婆を殺してしまいます。
その後、自分の意思と反して、罪の意識にさいなまれていくのです。
ラスコーリニコフを取り巻く人物たちとの、愛憎劇も繰り広げられます。
犯罪をおかす前の心理状態や、犯罪を犯した後の動揺など、
手に汗握る心理描写に、心が震えます。
読み終わった後、「ラスコーリニコフという男の人生を体験した」という感覚を覚えます。
さすが名作です。一見の価値ありです。
対象は、高校生以上の男女でしょうか。
マンガとはいえ、15歳未満には刺激が強すぎるかもしれません。
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